アルミニウムで文鎮を作ろう

 

ここではアルミニウムの鋳造を紹介します。 発泡スチロールで作りたい作品の形を作り、それを砂に埋め、湯口から高温の液体のアルミニウムを注ぐと一瞬にして発泡スチロールとアルミが入れ替わるというものです。

この方法は新聞でも紹介され、数年前センター研修でも教わってきました。 そして1999年の前期の選択Bの技術の授業で早めに真鍮の文鎮製作が終わった生徒たちとやってみました。

・EF‥‥‥結構楽しいです。しかし製作は目的意識を持ってやらなくてはいけないものであって、その作業行為を面白がっているだけではいけないんでしょうね。それでも楽しかったです。

・@Aがやはり大変でした。「発砲スチロールだから加工が簡単」と思いきやその柔らかさ故にナイフの扱いが難しく、削りすぎたり折れてしまったりという事がありました。  「発砲スチロールだから安価」(今年は不要なものを拾ってきた。)という安心感も緊張感を欠いてしまったかもしれません。

・しかしGHの作業は感動ものです。砂から作品を掘り出すのも「おー!!」と いう気分です。



問題点、そして・・・・・これから

問題点

まず誰でもすぐわかるのが高温による危険性 ・「アルミニウム鋳造を木型でできないものか?燃えきる前にアルミが固まってくれればいいのだから‥‥‥」と思いやってみましたが、結果は失敗。一気に木は燃え上がりました。万が一、体に触れたらと思うとゾッとします。  しかし、生徒たちはそれ故、真剣そのものでした。

・水蒸気爆発:TVの中でやっていましたが液体のアルミに水滴が飛び込むと、とても危険です。水蒸気の勢いで融けたアルミが飛び散ることをもあるそうです。“リサイクル”と言ってアルミ缶を使う時にはよく乾燥させてから炉に入れなければなりません。

化学成分としての問題

・2年の電気の単元ではハンダの成分のについてこんな話しを生徒にします。  「ハンダは錫と鉛の合金だよ。錫はとってもいい金属。ナメてもしゃぶってもいい。缶詰とか食器のメッキに使われている。だけど鉛はとてもこわい金属。  ローマ帝国が滅びた一因として鉛中毒が考えられている。当時の人々はただ鉛は加工がしやすいという理由で鉛で食器を作っていた。それで熱いスープとか飲んでいて鉛中毒になったらしい。暴君ネロもカリギュラも‥‥‥。」と延々と話しは続くのですが‥‥‥「だから無闇に無目的にハンダをとかして遊ぶのはやめよね。」‥‥‥という話しをします。

 技術科の教材として低融合金という100℃近くで融ける合金が売られていま すが、その成分は鉛と錫とビスマス。これはコワイと思いました。

(このような話をすると釣りを趣味にしている生徒に「えーーー!?」といわれます。「重りに使う鉛はどうなの?」後述のアルミの有害&無害の議論もそうですが、工業等の業界ではどう考えられているのでしょうか?)

・アルミニウムは窓枠とか、弁当箱とか鍋とか、そうそう!ビールやジュースの缶に使われていますね。アルミ鋳造を知ったときは「これだ!安全な成分だ!!」と思いました。

・が‥‥‥。

 「アルミニウムがアルツハイマー病を引き起こす一要因」という学説があるそうです。そもそもアルミニウムが含まれている飲み薬の存在が問題になったそうですが。インターネットで調べてみると、その学説に対しての反対意見と賛成意見、両方それぞれ強烈なものがありました。

  軽金属(特にアルミ)の業界にとっては死活問題の課題です。 とりあえずは作業をするときは換気を気をつけていますが、引き続き情報を集 めたいと思っています。 そうそう。ハンダも“セイコーエプソン”が従業員の為に鉛を含まないハンダ を使いはじめた。とか。これも業者さんに確認をお願いしました。  ぜひ学校にも取り入れたいなぁと思います。

教材としての問題

  これって美術かな?技術かな?‥‥‥うーん。蝋細工は美術かもしれない。銀の鋳造もアルミニウムの鋳造作業も最初の模型造りをうまくやらないと、作った作品にやはり愛着が持てません。結局「融かして固めるのは面白いけど、作品はいらない。」となってしまいます。

これから‥‥‥

・アートクレイシルバーもおもしろそうです。  “銀粉+蒸発する粘土(紙粘土かな?)+水”という材料があってこれで粘土細工のように作品を作り、電気炉で焼くと銀の作品が出来ます。材料は買ってきたのですがもったいなくてまだやっていません。

・その前にオーブン粘土をやるといいかもしれません。  生協のカタログ販売にありました。長野市の手芸屋さんでも売っていました。  色とりどりのプラスチック粘土でそれで作品を作りオーブントースターで焼く と硬化してブローチやキーホルダーを作れます。これも材料を買ったものの、もったいなくて‥‥‥。我ながら何をやっているのだろう。

・Y先生が先日スノーダンプに蝋を塗るんだとおっしゃって町内の金物店で買った蝋の固まりを持っていらっしゃいました。  お値段を聞くと‥‥‥安い!!  それでアルミ鋳造が出来ないかなぁと思っています。

  なんだかマニアックな文章になってしまいました。 鋳造、まだまだ入り口をウロウロしていますが、結構おもしろいです。


Last update Apr.25,2000

【鋳造体験記2】にすすむ

他の工作室を見る
他の書庫を見る
【Site Map】ページにもどる:
【HomePage】最初のページにもどる: