【書庫】

・強さって何?        1998年 1月

     (毛利、幕末・・・・・) 

・ライセンスと本当の力と   1999年 1月          

     (パラグライダー)

・本の紹介          1999年12月

     (銀河鉄道の夜 他)


強さって何?

1998年1月

 年末(1997年12月)にNHK大河ドラマ『毛利元就』を見た。一年間実は全然見ていなかったのだが「総集編で‥‥‥」と横着を起こしたのである。ストーリーは‥‥‥あまりよくわからなかったが、「天下をとる」とか「毛利家」とか「小早川家」とかは耳に入ってきた。

 学生時代私は歴史は苦手な方だったがこのごろ読んだ幕末を扱ったマンガや小説で少しは興味が出てきた。『毛利元就』の時代、毛利家は天下をとることは出来なかったがあの「一に点3個」の旗印、長州藩は明治維新で活躍をし日本の首相も30年ほど前まで長州出身が続いた。「天下人」というと藤原、平氏、源氏、北条、足利、織田、豊臣、徳川のあたりが有名だがこういう毛利家のような「強者」もいるんだなぁと感心してしまった。

 強者といえばあるマンガの中で‥‥『るろうに剣心(集英社刊)』の中で「このままでは宿命のライバル(主人公:剣心)が他の者の手にかかってやられてしまう。お前は行かなくていいのか?」というのに対してダーティーヒーロー齋藤一が「その時は生き残った方が最強だ」という場面がある。何とも冷たいセリフだが一理あるのかなぁと思った。

 まず生きること。

 TVにはうつらなかったが(?!)、この時代の我がご先祖様もどこかで生きていらしたわけである。あなたのご先祖様も生きていらしたわけである。確実に。大河ドラマを見ていると歴史的英雄が登場しては滅亡、御家断絶等あるが、我がご先祖様はひっそりと、しぶとく、たくましく生きそして私の所まで生命のバトンをとどけてくださった。何ともありがたいことである。

 『るろうに剣心』の中の齋藤一の言い方ならば「生き残った方が最強」‥‥‥「そーかー」と妙に感心してしまった。

 そういえばやはりTVだが『みにくいアヒルの子』で「強い人ってどういう人よ?」という問いかけがある。興味のある人はまたビデオでも借りてみてみてください。

 生き残る‥‥‥最強‥‥‥けっして武力や腕力を振り回すだけではないということ。そのほかの所に人の強さってあるのかもしれない。


ライセンスと本当の力と   

                             1999年1月   

 目の前に延びるU字谷。かなりの急斜面。下方から心地よい風が吹き上がってくる。両腕を飛行機の翼のようにのばし斜面を駆け降りる。心の隅に一瞬後悔にも似た感情が走るがブワサッという音と共に体が上方に引っ張られ、U字谷を抜け足元数百メートル下に大パノラマが開ける。パラグライダーの離陸である。

危険な道楽ではあるがいろいろな事を教わった。まず機体のチェック。畳12畳ほどの布に傷がついていないか、約40本の紐が絡んだり痛んだりしていないか丁寧に点検する。そして風をみる。今この瞬間、コース上の風がすべて揃っているか?そして未来数分間にわたってコースの外から横風が飛び込んでこないか?「風をみる」のである。そのうえで離陸である。

左右の手に握られている紐を引くと翼の後端がネジ曲げられ、ターンすることが出来る。足元の視界がぐらっと回る。パラグライダーの一番楽しいときである。いままで写真でしか見た事のない風景が今、足の下にある。木々の間から見えかくれする林道を走るランドクルーザー。「よぉ!」と声をかけたくなる。

 飛行中いろいろな事がある。大自然が相手である。予想外の風が飛び込んでくるともある。そういう時はあっさり当初の予定は捨てあらたに五感を研ぎすまし判断する。「○○するつもりだった。」と言い訳しても何の役にも立たない。機体は横風を受けるとグシャグシャとはためき、ねじれる。面積、揚力を失った機体は石のように落ちる。このようなときは叫び声も出やしない。息を止めたまま左右の紐を操作する。そのうちに(?!)バン!というショックと共に翼がなおり正常な飛行に戻る。しばらくして、やっと「ワーーー!」っと叫ぶ気になる。

 とにかく安全に着陸しなければならない。「ちょっと考えさせて」とか、「先生どうしたらいいの」とか、ましてや「もう出来ない。後やって」なんて放り出すわけにいかない。とにかく、最後までやり遂げるしかないのである。自動車の教習所ならば隣に教官が乗っていて、いろいろ助言もしてくれる。いざというときにはブレーキをかけてくれる。しかしそれがないのである。ただ無線等で指示を出してくれる事もあるが耳元をごうごうと通り過ぎる風でいつも聞こえるとは限らず、ましてや運転(操縦)を手伝ってもらうなんて出来ようはずがない。自分の感覚器官を研ぎ澄まし、恐怖や焦りをおさえつけ判断し、トレーニングを積むしかないのである。

 空の上では卒業証書とか、資格とかも余り役にたたない。練習の励みや目安にはなるが、横風にあおられバランスを崩したときに、ポケットからライセンス(免許証)を取り出し、天の神様に見せて何になろう。

 スクールとは資格を得るところではない。本当の力を得るところである。一人、空の上でそれをしみじみと感じさせられた。

地面が近づいてくる。心臓がドキドキしてくる。高度ゼロの時に対地速度をゼロにしなくてはならない。ブレーキが早すぎても遅すぎてもいけない。それぞれ失速墜落か足を地面にとられ捻挫である。慎重に速度を落とし着地。後ろの山を振り仰ぐ。

 ほっと一息。


本の紹介

                             1999年12月

銀河鉄道の夜;宮沢賢治

  ・銀河鉄道999   ;松本零士

  ・グスコーブドリの伝記;宮沢賢治

  ・ARMAGEDDON;M.C.Bolin

きっかけはアニメーション

“銀河鉄道999”です。その原作者、松本零士の他の作品の中で主人公の少年が“銀河鉄道の夜”を愛読しボロボロになっても持ち歩くという場面がありました。「そんなにすごい本なのだろうか」と買ってみると‥‥‥

“999”も絢爛豪華、壮大な宇宙を描いていましたが宮沢賢治の“〜の夜”も、とっても綺麗で澄んだきらびやかな宇宙を描いています。それも60年以上たってもぜんぜん色あせずに。そして主人公のジョバンニは「人間の本当の幸せ」を求め旅を続けていきます。

     (途中でタイタニック号も出てきます。)

同じ本の中に入っていたのが科学者グスコーブドリが異常気象から人々を救おうとする物語。

壁一面のディスプレー、キーボードの備え付けられた研究所で働き最後には‥‥‥映画アルマゲドン‥‥‥にも似た‥‥‥いや順番からすると アルマゲドンを見たときグスコーブドリに似ているとも思いました。


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