今まで、文集、会誌、投稿等で書いた文を集めてみました。3
・君も宇宙人になってみないか 2000年 1月
君も宇宙人になってみないか?
2000年 1月
約百年前、私たちのご先祖様の時代、人は藩の人だった。藩とは今の県ぐらいの大きさで当時の人はこれを“国”と思っていた。仲間は同じ藩の人。隣の藩の人はよそ者だった。私たちの多くは日本人という感覚はなく信州人だったわけだ。
それを坂本龍馬をはじめとする幕末の志士達が 「もっと大きな心もちを持たなければいかんぜよ。」と “日本人”を目指したわけだ。
そして百年たった。
“でっかい日本人”になれた人もいる。いまだ“私たちのなかよしグループ”と“あの人達のグループ”にこだわる人もいる。 私たちは更なる完全な日本人、そして地球人、宇宙人を目指そう。 それではその“宇宙人”を目指すための頭の体操をしてみよう。なに、大したことはない。強力なイメージや自己暗示があればできることだ。(ほんとに大したことない)
上ってどっちだろう?下ってどの方向だろう? とりあえず、つむじの方向が上。足の裏の方向が下だよね。でもこれってごくごく限られた人たちにとっての上下なんだ。
アメリカ、ロサンゼルスのあたりの人たちの上下を感じてみよう。まず頭を東にして横になる。更に目をつぶるといいかもしれない。その状態でつむじの方向に青い晴れわたった空をイメージしてみよう。そして足の裏に大地を。まわりに自分をぐるっと取り囲む地平線を見てみよう。最初うまくいかなくてもそのうちに見えるようになる。これが今この瞬間の、緯度にして約90度東のロサンゼルスの人たちの上下なんだ。(頭を西にするとアラビアの人たちの上下がわかる) でもこの上下もあやしくなってくる。今私たちの立っているこの大地。この大地自体が地球自転によって秒速300メートルの早さで東に向かっている。(ジェット機とほぼ同じスピードだ)
今度は地球人、太陽系人になってみよう。これをやるのは夕暮れ時がいい。太陽のしずんだ方向がわかり、更に火星や木星、金星、月といった太陽系の兄弟たちが見えると更にいい。何かに寄りかかり、つむじの方向と北極星の方向(地軸という言葉おぼえているかな?)をあわせる。そしてイメージしてみよう。体に感じる重力の上下とは少しずれた新しい上下を。そして太陽系の兄弟たちを眺めるといい。“空に”ではなく“水平方向に”。自分と同じ高さに浮かんでいる惑星たちを。
‥‥‥できただろうか?これが理科の教科書にのっている“太陽系の図”の実物大である。そして私たちがのっかっている地球は公転により毎秒30キロメートルの速さであの太陽のまわりをまわっている。
実は太陽系も銀河系の自転により毎秒220キロメートルの速さで疾走している。今度は銀河系人になってみようか。獅子座(星座早見盤でさがしてください)のしっぽのあたり。そこと つむじの方向をあわせよう。私たちのまわりにはぐるっと天の川が取り巻いている。これがSF映画でよくある図。平らな銀河の海を目の前にして航行する宇宙船の様子だ。
どうやら銀河もこの調子でいくとすごいスピードで宇宙の中をすっ飛んでいるらしい。
なんだかこんがらがってきたかな。そう。宇宙には‥‥‥宇宙人には絶対的な上下はないのかもしれない。
だから“宇宙人”は互いに“他人の信じる上下”を尊重することが必要になってくるかもしれない。「私の上下も、あなたの上下も両方大切だよ。」って。
更に宇宙には上下がないということは‥‥‥ “宇宙人”は落ちこんだりしないということだ。 元気がなくなりそうになったら“宇宙人”になろう。
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