鋳造体験記7感光樹脂板の焼きつけ機



幅210mmの板で大きな箱を作りました。
上から10mmの所に桟をつけ100円市で買ってきたA4用の透明紙ばさみが置けるようにしてあります。
中には15wの直管蛍光灯を置きます。底面より50mmの高さに蛍光管を保持できます。
蛍光管はブラックライト。紫外線をたくさん(^_^;出す蛍光管です。文化祭の学級展示で「星空」を描くために買いました。


桟に100円市で買った紙ばさみを置いた所です。
蛍光管の中心から紙ばさみまでの距離は150mmです。


OHPシートで作った原盤を置きます。
文字はこちらの方向からは読めません。ライトの方向からは読めるように置きます。

「紙ばさみへのセット」は本当は別の所で行いますが、しくみをわかりやすくこの箱の上で行い写真を撮りました。
「紙ばさみへのセット」は別の所で行います。(「こんな事を書くのなら別の所で行っている写真を撮っておくのだった」と後悔しています。)
  1. ブラックライトは非常に高価であり、地方都市では取り寄せにも時間がかかる。くれぐれも割らないように!!蛍光管の上での作業は恐い。
  2. 感光樹脂への無用の感光(太陽光や蛍光灯による紫外線による感光)を避けるためできるだけ暗いところで行う
  3. セット中に原盤や感光樹脂板がずれることがある。セット後、紙ばさみの下にもぐり込んでずれていない事を確認しましょう。


原盤の上に感光樹脂板を置きます。(もちろんアルミ箔から出して。保護膜も剥がして。:写真ではアルミ箔に包まれたまま撮影しています。)

感光樹脂板
  • もともとハンコ屋さんが使っていたものらしいです。
  • 紫外線を当てなかったところは水で洗い流せる性質のまま。
  • 紫外線を当てたところが水で洗い流せない性質に変化します。
  • ここから水洗いして乾燥させるまでの作業は時間との競争。できるだけ手早く!!


更にその上にベニヤ板を置き紙ばさみで固定します。


反対側も紙ばさみで固定。原盤と感光樹脂板が密着するよう配慮します。


こんな様子になります。
余計な光が入らないように(作業の正確さ)。余計な光が漏れないように(目への健康面の配慮)ベニヤ板等で開いているところをふさぎます。

蛍光灯のスイッチを入れて2分30秒間感光。(2003年5月27日確認)

以下のデータは参考に。経験と実験でいい時間を見つけて下さい。
蛍光灯ワット数:15w
蛍光管中心から紙ばさみまでの距離:150mm
感光時間:2分30秒間

2分30秒後スイッチを切り、感光樹脂板を取り出して水洗いします。

ここでもまだ気を抜かないこと。「できたぁ。」とのんびりと太陽光の下で感光樹脂板を眺めていると全面感光してしまいます。
大きめの炊事用スポンジで流しっぱなしにした水道の下で押さえつけるように洗うといいでしょう。このときも感光樹脂板はスポンジで隠して光を当てないように配慮しましょう。または、10cm四方の木片の上に感光樹脂板を置き、雑巾で覆いながら流水の下で洗うといいです。3分ほどで凹凸がはっきりしてきます。

凹凸がうまく現れたら感光樹脂板を乾燥させます。

ここでもまだまだ気を抜かないこと。秒を争うほどではありませんが、水に浸けっぱなしにしておくと凸の部分が水でふやけてボロボロに崩れてしまいます。
新聞紙、ティッシュペーパー等で押すように水分をとり、丁寧にやるのならドライヤーで、私は後感光も兼ねて日なたで乾燥させました。

冷暗所に片づけて一安心。

どんなモノでも直射日光はいいものではありません。日なたに置きっぱなしにしておくとパリパリになってしまいます。

Q.ブラックライトの下にパラボラ状の反射鏡をつけなくてもいいのか?

A..つけようかとも思いました。しかし・・・・・

理由1,手間と材料が面倒でした。

ふざけた回答かと思われるかもしれませんが、私のめざしているものが「簡単にできる鋳造」。
「手のぬける所はどこだろう」・・・・・ここは手がぬけるかと思います。

理由2,パラボラ状の反射鏡をつけることによるメリットとして考えられるのは・・・・・

(1)紙ばさみのすべての面がパラボラ鏡によって垂直な光線得られる。
   しかし、蛍光管から直接やってきた斜めの光も得られます。この2本以上の光が入ることによるコントラストのぼやけの方が問題と考えました。

(2)紙ばさみとは反対方向に出た光も鏡によって有効利用できる。
   確かに! しかしこれによって感光時間が3分から1.5分になってもそんなに得ではないかな?

(3)紙ばさみが受ける光のエネルギーがより均一になる(かもしれない)。
   これを本当にやるとしたら・・・・・高度な計算が必要です。
   ことによったら自動車のヘッドライトのような複雑な反射鏡とフレネルレンズが必要かもしれません。私にはまだまだ無理です。
   試しに、反射鏡の無い状態で紙ばさみに届く光のエネルギーの違いが最大でどれだけのものか計算してみました。

a=150mm

b=105mm(A4版の短辺の半分、実際は感光樹脂板の1辺:70mmでもいいかもしれない)

d=25mm

を代入してみると、0.66という値を得ました。つまりX点で3分の感光をしているとしたら、Y点では2分の感光程度ということです。
これを多いと見るか少ないと見るか・・・・・。実際使ってみると問題はないようでした。

以上の理由から、反射鏡はなくてもいいかと思います。


July.31,2002初回アップロード
May.28,2003最終更新

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