鋳造体験記その5

ベルトバックル「鋳造体験4」の反省をふまえ
より軽く、より正確に、そしてヒビがなく。

ロウで作った原型 完成作品 作り方の概略

 


原型の調整

鋳造体験4で傷んだロウの型を補修しました。

裏面は軽量化のため出来るだけ削ります。

電灯にかざすと、どこが厚くてどこが薄いかわかります。今回使ったロウは「スノーダンプ用の白いロウ」と「精密ロストワックス用青いロウの削りくず」を混ぜたものです。水色になったのが幸いしました。

今回は19gまで削りました。

コネクターとツメの原型は真鍮を削りだして作りました。
あとで砂型の中から回収できるようにコネクターの原型の方はラジオペンチでつまめるように穴をあけておきました。

 


砂型に原型を埋める

2001年6月30日

基本的には「鋳造体験記4」とほとんど同じです。

本体の原型の上にコネクターとツメの原型を置き熔けたロウを継ぎ目に塗ります。

耐熱ボンドを塗り・・・・・

本体型と蓋型のあわせがわかるように角材を入れ・・・・・・・・・・

蓋型用の枠を置きそこに鋳砂を入れます。ここで待つこと30分以上。

 


原型を取り出す

2001年7月2日

釘締めを利用して角材を少し押し抜けやすくします。

角材を抜き・・・・

本体砂型 蓋砂型

 

蓋の砂型から「ツメ」の原型と「コネクター」の原型を抜きます。

本体の砂型から本体の原型を抜きます。今回は「鋳造体験4」の時より綺麗に抜けました。

「鋳造体験4」の失敗経験を生かし耐熱ボンドをU字型にたっぷりつけます。
(但し中の空間に入らないように注意)
角材で本体と蓋の方向をあわせ、更に金床を重し代わりに乗せました。

(ここで待つこと30分)


鋳込み

側面から熔けた金属が漏れることが不安だったのでまわりにトタン板を耐熱のボンドをつけ、
そのまわりを更に金床で固めました。

(原型を縄でぐるぐる巻きにして更に地中に埋めてしまう方法もあるそうです。)

鋳込む瞬間は写真を撮っているゆとりはありませんでした。
鋳込みの終わったあと金床をどかしてみると大量の水滴がついていました。

(ここで冷えるまで45分ほど待ちます。その間に掃除掃除・・・・・)

今回は鋳造体験4よりは、ましな形に出来ました。

上が今回の「鋳造体験5」で作ったもの
下が前回の「鋳造体験4」で作ったものです。

完成!!  195g→210g※

 


後日談・・・・・  (^_^;

2001年7月2日:「できた、できた。軽量195g」と喜んでいたのですが、水洗いをしていると作品の中に大きな空洞があることがわかりました。

2001年7月3日:作品強度、腐食の心配があったので作品を金床の上に置き、ガスバーナーで加熱し、錫をペンチで持って押しつけます。結構染み込んでいきました。・・・・・・・・結果195gは210gになりました。 15gの錫の分の空洞があったという計算。

 

2001年7月17日

今回ツメをせっかく綺麗に一体成形で作ったのにベルトから「ツメ」が抜けにくいように「くびれ」をつけようとしたところ簡単にポロッと折れてしまいました。

折れたところを平らに削り、5oのドリルで穴をあけ、真鍮の棒をハンダ付けしました。
周囲の銀色の所は錫です。・・・・・・「反省・次回に向けて」を参照

反省・次回に向けて

反省 原因 次回に向けて
210g達成!!
ほとんど重さは感じられません。
ロウの原型を19gまで削ったおかげでしょう。 ロウは廃物利用。今までのロウの削りだしの屑がもったいなくて青いロウと白いロウを融かし混ぜたものを使いました。結果それが電灯に透かして厚いところを見ることに役立ちました。
やはりもろい。
亜鉛がうまく混ざっていないのかもしれない。
亜鉛を入れると緑色の炎が出て正直恐いです。
また冷えた坩堝の中には黄緑色の粉が残ってしまいました。
亜鉛がうまく混ざってないのかもしれません。これからの課題です。
入れる順番?温度?これからの課題です。
作品に巣が入ってしまいました 鋳込む時の湯の温度が高すぎたのかもしれません。 温度!!・・・・・う〜〜〜ん
冷えた坩堝の中に銅が少し残ってしまいました。 温度が低すぎたのかもしれません。
作品の中に空洞が出来てしまいました。 今回、鋳型の中の空間が薄いため冷えるのが速かったのかもしれません。
熔けた金属が鋳型の内面に触れた途端にどんどん固体になったのかと思われます。

Jul.28,2001初回upload
Aug.20,2002最終更新

【鋳造体験記6】に続く

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