鋳造体験記6

「鋳造体験記6」は全部で4ページあります。鋳造体験記6−1、6−26−36−4


電球のフィラメントに適した物質を探しているエジソンにある人が言いました。
「研究は進んでいないようですね。」
それに対してエジソンは言いました。
「いや、研究は進んでいる。なにせ数1000種類ものフィラメントに適さない物質の名前がわかったのだから。」

エジソンにはまだ遠く及ばないけれど・・・・・
「こんな方法じゃダメだ」と言うこともこの体験を通してわかってきました。それも「成果」としてここに載せたいと思います。

テーマ
より、簡単な鋳造をめざして。
「簡単な」とは「自分の思いを形にしやすい」ということです。鋳造体験記1の青銅鏡はすばらしい題材ではありますが、おとながやってもつまづくところは多いです。
より自分の思った形に作品が作りやすく、様々な道具や材料、方法を工夫していきたいと思います。

砂型として「砂+2液式の硬化溶液(茶色)と硬化剤(透明)」を使っているが、本で調べてみると、これは「樹脂(プラスチック)」であるようです。

欠点として硬化したあとで「縮み」が起こり原型を抜くのがむずかしいらしい。そういえば抜きにくかったと言う印象があります。しかし印鑑用ゴム板を切って原型を作った時には結構楽に抜けました。

そこで今回の「より簡単に」の試みとしては・・・・・・

1,原型の材料のひとつとして、弾力のある印鑑捺印用ゴム板を使う。

2,原型の材料のもうひとつとして、弾力があり、塑性加工が楽で、更に煮ることにより弾性の性質に変えられる消しゴム粘度を使う。

3、上記二つの印鑑捺印用ゴム板と消しゴム粘土を適材適所で組み合わせて使う。接合にはゴム系のボンドを使う。

4、バックルの軽量化に有効であった、「鋳造体験記その4,その5」の原型の裏面を空洞にする方法を使う。ただし今回は原型はゴムである。
 それ故、裏面を空洞にする手法をより簡単におこなうことができると考える。



基礎部分はシャープなデザインのため印鑑捺印用ゴムを切って作りました。中のカッターナイフで切った部分が後に作品軽量化の為、空洞になる部分です。


空洞になる部分の型を抜いてみたところ。


作品の第部分になるところ。


作品の上部、球面状になったり、複雑な模様が入る部分は消しゴム粘土をいました。
手のひらで暖めながらこねると、塑性加工ができ、希望する形になったところで沸騰したお湯で5分〜10分煮ると、弾性の性質を持った消しゴムになります。


細かな模様の細工が、粘土の柔らかさ故かえって難しかったです。細工を施したすぐ横から押され、崩れていきました。
ロウならば平刀(平らに削った割り箸)で掘ったはじから屑は落ちてくれるが、ゴム粘土では横に山脈を作ってしまいます。


中心の円の部分は数回、コンパスや粘土ベラ(割り箸)、カッターナイフで細工を試みるがうまくいかず、印鑑捺印用ゴムを切って部品としました。
「我ながらいいアイディア」と自画自賛。


左右の細かな細工も、印鑑捺印用ゴム板を切って作りました。


結局、印鑑捺印用ゴム板のパーツは1,台部分 2,中心リング部分 3、左右細部6点の計8点となりました。
更に左右の細部に消しゴム粘土を細くのばした4つのパーツをちょこんとつけました。
お湯で煮ると消しゴム粘土と印鑑捺印用ゴム板は剥がれてしまうので、油性インクで印を付けておきました。

案の定、お湯で煮たらすべてバラバラになってしまいました。

上の写真はそれをゴム系ボンドで組立なおしたところです。
このあと、砂型から抜きやすいようにと、「銀の塗料」を塗ったところ・・・・・・


あちこち剥がれる、剥がれる。「銀の塗料」の溶剤がシンナー系であり、ゴム系ボンドを融かしてしまいました。
適材適所、ゴム粘土と印鑑捺印用ゴム板を使うアイディアはいいと思ったのだが、ここで苦労しました。

教訓
・あまり細かなパーツには分けない方がいい!

 


July.31,2002更新

鋳造体験記6−1、6−216−36−4

【鋳造体験記6−2】に続く・・・・・

【鋳造ができる!】の他のページを見る
他の工作室を見る
【Site Map】ページにもどる:
【HomePage】最初のページにもどる: