ピューターの鋳造0


写真は直径約36mmの半球状のピューターのインゴット6個です。一つ、100gです。

一番の長所(特徴)としては融点が低いということ。そのためかなり制約がゆるく色々な道具が使えます。(ピューターならではの道具や材料)
・「坩堝」は台所の鉄、ステンレス、ホウロウの鍋、お玉、等
・「炉」はガスコンロ。ただし風通しのいい屋外で作業をするためにカセットコンロやキャンプ用のバーナー
・「鋳型」は鋳造温度が約280度、すなわち「割り箸が少し焦げる程度の温度」のため様々な可能性が考えられます。

欠点はまだ見えていないのですが、
アンチモンが気になります。昔のピューターは「錫と鉛と銅の合金」でしたが、鉛の毒性の事を考え「より安全な」アンチモンに変わっていったそうです。
しかし辞典を調べてもなかなか載っていないのですが、

・元素周期表でいうと5B族(窒素、リン、砒素、アンチモン、ビスマス)
・アンチモンの化合物の輝安鉱Sbはその殺菌力のためアイシャドー(目のまわりの蠅よけ)として利用された。
・中世ではハンセン病の治療薬として使われていたという。
・砒素や水銀ほどではないにしても中毒作用があるので取り扱いには注意が必要。(1)

ということで引き続き注意が必要かと思います。

またこれは私の「思う」なのですが、
融点が低い物質はそれだけ化学的に不安定なのかな?沸点も低いのかな?よって人体に入って金属アレルギーを起こす可能性もあるのかな?
・・・・・・・・と、融点が高い白金(プラチナ)の事を考えたりすると、「思う」のです。


このぺーじを「鋳造体験記8」という題にしようかとも思いましたが、青銅の鋳込みの道具とはかなり違うと考えましたので、御覧の通り「ピューターの鋳造0」という題を付けました。
願わくば、これから青銅と同じくらいいろいろなものが作れたらいいなぁと思います。

 

参考文献(1):元素の小辞典 高木仁三郎著 岩波ジュニア新書


July.31,2002更新

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