ピューターの鋳造1


市販ペンダントを原型にして作りました。ペンダントやネクタイピンが作れます。


2002年9月27日

以前、「鋳造体験8」で使ったペンダントを原型として、今回はピューターの鋳造を試みてみました。

粘土は100円市から買ってきた粘土。鋳造に一回使ったものを再利用しました。青銅の金属片がまぎれ込んでいないことを確認してから、不要になったコーヒーのビンの中で水に浸けておきます。少し水分がしみたところでビニール袋の中に入れて上から揉みやわらかくしました。

剥離剤として手洗い石鹸を使います。古歯ブラシにヌルヌルの石鹸をつけて原型にこすりつけました。泡まみれのまま机に置いた粘土に上から原型を押しつけます。
更に手洗い石鹸をつけて泡まみれになった透明プラスチック板を上から押しつけ上面を平らにしました。
おかげで原型は粘土から簡単に剥がすことができます。

今回粘土型はすぐ、電気炉で室温75度(?)から30分で125度へ、1時間で200度へ、1時間30分で300度まで上げて乾燥させました。
今回の粘土型から出てくるのか、前回の燃え残った蝋から出てくるのか、水蒸気が盛んに覗き窓から出てきました。


今回はピューターの熔解温度が低いと言うことで(かき混ぜる割り箸が少し焦げるくらい)鋳型の上型に木片を使いました。
木片に原型を置きペンで形をとり、ボール盤で穴を開けます。
中央に湯口を9mmと12mmで二段に開けました。
湯口には100円市で買ってきたステンレス漏斗(じょうご)が入るようにしました。
周辺や端に空気の逃げ道や「あがり」を3mmで開けました。

熱く融けたピューターで木片がどうなるのか(持ちこたえるか)、鋳込みのあと簡単にはずすことができるのか(頑丈すぎるか)が問題です。


2002年9月30日


Gクランプで上型、粘土鋳型、下の板の三つをはさみ、それを万力に固定しました。


今回使った、炉のかわり・・・ガスバーナー、と
        坩堝(るつぼ)のかわり・・・計量カップやお玉   です。


ピューターを融かします。

240度で完全に融けきり、鋳造温度は280度が最適だそうです。
割り箸の先がうすく茶色に焦げるくらいが目安です。
表面の酸化皮膜をお玉の端に寄せてから鋳込みをします。


100円市で買った漏斗(じょうご)をペンチで湯口の所に支え(穴を大きく開けたため自立しましたが念のため支えました)そこに鋳込みます。
液体になったピューターは青銅よりもトロトロで(流動性がよく)、あっさりと粘土の本体鋳型と木の蓋鋳型のあいだからもれてしまいました。

やはり


型はあっさりとはずれました。9月27日の心配は無用でした。



まわりを切って削ってできあがり。



2002,10,3
裏にネクタイピンの金具をつけました。(瞬間接着剤使用)
見た目は気がつかなかったのですが、少し酸化して黄金色に近くなったようです。

反省 原因 次回にむけて
本体の粘土型と蓋の上型(のつもりだった)のあいだから融けたピューターがあっさりとこぼれてしまった。
  • ピュータの流動性がいい。
  • 手を抜きボンドでつけなかった。青銅でもこぼれたかもしれない。
このように本体型、蓋型を作るのなら、きちんと耐熱ボンド等ではりあわせる必要がある。
湯口だったところが凹んでしまった。
  • ピューターは液体から固体になるときに体積にして約3%縮む。
  • そのことも考え、縮んだ分も補給できるように湯口をつけたつもりだったが上記の様にあっさりともれてしまった。
  • 湯口にある程度の容積が必要。
  • 湯口にある金属が「押し湯」となるように型はボンドできちんと接着すること。

それにしても、ピューターを融かす手間は青銅のそれに比べて驚くほど楽であった。


Sep.30,2002更新

【ピューターの鋳造2】に続く

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