ピューター鋳造体験教室4 比較的手軽にできるピューター製バックル作り

ピューターの鋳造4より抜粋

五枚の木を重ねて作った鋳型にピューターを鋳込みます。


2005年2月12日の長野県技術家庭科教育研究会の「実技研修;バックル作り」に向けて作ったページに加筆しました。
5時間あればゆとりを持って作れる内容です。

参加するかたに持ってきていただきたいもの  
カッターナイフ;上の様な小さいものが扱いやすい。

(更に彫刻刀があると便利です。)

筆記用具(鉛筆、消しゴム、ボールペン)

安全帽子(手ぬぐい)、軍手、作業のできる服装

 

参加するかたに考えてきていただきたい事  

バックルのデザイン型紙をダウンロード(約268KBのPDFファイル)
  • 縦50mm、横70mm以内の大きさ
  • 中央左から8mm〜10mmにツメ(Φ5mm)がつき、中央右から6ミリ付近にコネクタ(25〜30×10)がつきます。それを含むことができる輪郭にして下さい。
  • 身につけるものとして輪郭に尖った部分がないもの。滑らかな形のもの。
  • 絵を入れるとしたら写実的なものより図形的パターン的なものがいいです。
  • 字を入れるとしたら、コンピュータからカッコいいフォントをプリントアウトしてくるのも一手です。
  • 縁取りをつけるとひきしまってカッコよく見えます。

厚紙を貼って鋳型を作る技;凸鋳型で凹の模様の作品を作る

2005年1月21日

鋳型の主な材料

第5層 ふた シナベニア 4mm厚
第4層 コネクタとツメ シナベニア 5.5mm厚
第3層 コネクタとツメ シナベニア 5.5mm厚
第2層 輪郭 シナベニア 5.5mm厚
第1層 厚紙模様をはる シナベニア 4mm厚

型紙をダウンロード(約268KBのPDFファイル)



デザイン画からトレッシングペーパーで形をとります。

 

トレッシングペーパーを裏返しにして、カーボン紙で厚紙の上に図をうつします。

 


厚紙をカッターナイフで切り出し、第1層のベニア板に貼ります。

注意

  • 作りたいデザインの裏返しに貼ります。(私は左向きのクワガタムシを作りたいので右向きになるように貼ります。)
  • 糊がはみ出さないように注意(融けた金属の熱ではみ出た糊が沸騰して作品がきたなくなります。)

 


第2層

第3層

第4層


第5層
同様にトレッシングペーパーの型、カーボン紙、糸鋸盤、ボール盤を使い第2層から第5層まで作ります。

ここに溶融金属を流し込むわけですが・・・・・湯口をこれからつけます。

 



今回は横に湯口をつけてみます。

第2層、第3層、第4層に湯口をつけました。

湯口には三つの役割があります。

  1. 坩堝から融けた金属を流し込む入り口。(入り口をある程度大きくする。)
  2. 鋳型の隅々まで湯(融けた金属)がいきわたるように圧を加える。(ある程度の重さの湯が入るように容積を大きくする。)
  3. ピューターは液体から固体になるときに体積がかなり小さくなる。そのときの補給(ある程度の補給ができるように大タンクを。)

注意

  • 写真では湯道と湯口の合計の深さが20oになっていますが、出来上がった作品の模様がぼやける可能性があります。原因は圧力不足かと思われます。2005年2月12日の講習会当日は木片を継ぎ足し「湯道と湯口の合計深さ=40o」にしました。詳しくは型紙をダウンロード(約268KBのPDFファイル)をご覧下さい。
    (新しく書き直した型紙では「深さ=50mm」になっています。)

 


万力とGクランプで第1層から第5層までの鋳型を固定します。
この湯口にピューターを鋳込みます。

鋳込んだ直後20秒程、鋳型周辺にトントンと振動を加えてやると融解金属が模様の隅々までいきわたります。

 



冷えたところで鋳型を壊し取り出します。

古いマイナスドライバーが便利です。

湯口を切り、ヤスリで成形と磨きをします。

 



コネクタ部分にΦ3.2の穴をあけ、銅丸棒Φ3.0のリングをつけます。

リングはペンチとラジオペンチで曲げて作ります。

 

更に金属研磨剤で磨いて出来上がり。低地にプラモデル用の塗料を塗るという方法もあります。

参考:作業の流れと必要物品

1、 導入
□ 説明プリント
□ 見本バックル(クワガタ他)
□ 見本の型(クワガタ他)
2、 デザイン
型紙をダウンロード(約268KBのPDFファイル)
3、けがき
□ トレッシングペーパー
□ カーボン紙
□ 筆記用具
□ シナベニア(1・2・3・4・5層)
□ 厚紙
4、 厚紙加工
□ カッターナイフ(細身)
□ カッティングマットまたはその代用品
5、 シナベニア加工
□ 糸のこ盤
□ 糸のこ盤用の刃
□ ボール盤
□ ボール盤用の刃6mm、3.2mm
6、 鋳型組み立て
□ のり
□ Gクランプ
□ 万力とあて木
7、 鋳込み
□ ピューター(楕円バックルならば200g、四角バックルの場合はゆとりをみて250g)
□ 坩堝(100円市軽量カップを利用)
□ キャンプ用ガスバーナー
□ ガソリン、ガス等の燃料予備
□ 軍手または皮手袋
□ ライター、マッチ
□ 割り箸(かき混ぜと融解したピューターの温度をみる)
□ 余ったピューター用の枠(100円市クッキー用の型を利用、鋳鉄)
8、 鋳型から取り出す
□ マイナスドライバー
9、本体成形
□ 弓鋸
□ 金工ヤスリ
□ 精密ヤスリ
□ 万力、あて木
10、コネクタ穴あけ
□ ボール盤
□ 機械万力
□ 3.2oドリル
□ あて木
11、リング作り
□ 型紙
□ 銅の丸棒(Φ3.0×150oを曲げた後余分を切断)
□ ペンチ
□ ラジオペンチ
12、磨き
□ 耐水サンドペーパー5枚組
□ 耐水サンドペーパーを使う台
□ ピカール(金属研磨剤)
□ ぼろ布
13、掃除片付け
□ ほうき、ちりとり
□ 雑巾

おまけ
□ プラモデル用の塗料
□ ベルト用革、ボタン


Feb.13,2005 新規作成

Nov,15,2005 更新

【ピューターの鋳造体験教室 5】に続く。企画中です。

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