鋳造体験記11感光樹脂板のデザインや水洗いの注意点

鋳造体験記10の青銅バックルを作るためクワガタのフィルムで感光樹脂板をもう一回焼き直しをしたのですが、大変でした。

ピューターの鋳造4の中でその改善策に気がついたのですが、青銅の鋳造にも言えることなのでこちらに載せます。


砂型から原型を抜くときが一つの山場です。

  1. 綺麗に抜くためには離型剤(銀の塗料)をたっぷり塗るといいです。
  2. そのためにはシンナーを含む離型剤に耐えられる原型でなくてはなりません。
  3. そのためには原型に極力粘着ボンドを使わなくてもいいデザインにすることです。

です。

そのためにデザインについて以下に望ましくない例望ましい例を紹介します。

望ましくない例

は苦労しました。

左の図をコンピュータプリンターでOHPフィルムにプリントアウトして紫外線で焼き付けをしたのですが・・・・・

  • 3分は長すぎたか?黒が「完全な黒」に印刷されず光が少し通り「溶け去るべき黒の所」も簡単に洗い落とせなかった。強く洗ってしまいました。
  • 図案についてですが・・・・・「細い黒」を作らないようにしましょう。「細い黒」は砂型では「峰」になります。
    あまり細すぎると砂型が簡単に崩れてしまうのです。
  • 「白」も細かなバラバラの部品にならないようにしましょう。どーんと大きなつながった白が望ましいです。
    スカラベはその点うまくいったのですが、このクワガタは感光樹脂板を水洗いした後、凸部分に下図のように水分が浸入していくつか剥がれてしまいました。  (ピンセットやボンドで修復。苦労しました。結局それもシンナーで溶け、意味無し。)

  • それを粘着性ボンドで修理したのだが、離型剤の有機溶剤でボンドが溶け離型剤も十分塗れませんでした。
  • コンピュータプリンターの「黒」は出来るだけ黒々と出るものを使いましょう。
    要は黒と白の差をいかにたくさんつけるか、なのです。切り絵も一つの手だと思います。
  • 黒と白の差をつけるため、
    ・紫外線焼き付け機へのセッティングは薄暗いところで手早く行いましょう。
    ・焼き付け後の水洗いも光が当たらないように気をつけましょう。スポンジで全面を覆って流水をかけながら上からギュギュッと押すといいです。

そこで

望ましい例

はうまくいきました。
  • 白黒図柄を反転し(というより元に戻し)白を陸続きにしました。羽の部分も白をつなげました。これによってもし白い陸の部分が剥がれても脱落はしません。
  • 切り絵に挑戦しました。これによって黒と透明のコントラストがよりクッキリになります。
  • 切り絵にしたことによって自ずから「細い黒い線」を描かなくなります。
  • 水洗いをするとき完全に洗い落としませんでした。少し乳白色に溶けたものを残しました。

    これによって水分が浸入して黄色い部品が脱落する可能性が低くなります。
  • 乾燥用にヘアードライヤーはほしいです。今回は強い太陽光があったので後感光も兼ねてそれで乾燥をしたのですが、ティッシュや布で拭くとその繊維が原型を汚します。

Oct.12,2002更新

【鋳造体験記12】に続く

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