鋳造体験記16火力不足の炉を改造する


火力がぜんぜん足りない炉を改造しました。新しく購入した材料は耐火煉瓦(900円を4つ=3600円)、あとは廃物利用です。

2003年7月27日

中学校技術・家庭科教室でよく使われている炉です。
  • 私自身が中学生のとき(197X年)も確か、このタイプの炉でマイナスドライバーの成形をしたと思います。
  • 前々任校(1993年)でも最初はこの炉で刃物の焼入れを行いました。
  • 昨年の夏(2002年)は最初これで青銅の鋳造をやろうとしました。

そういったベストセラーなのですが・・・・・

欠点は火力不足です。

  • 中心のわずか5センチの所しかコークスが燃えない。
  • 青銅の融解温度に達しない。
  • 火力を保つのも難しい。
  • 最悪の場合は点火もできなかったり、コークスをかき回しているうちに消えてしまうこともある。

新しい炉の購入も考えたのですがそれもかないませんでした。
前任校、信濃中学校の時に改造した炉を再現したいのだが手元にあるのは、この丸い炉

ということで、
今回はできるだけ少ない予算で、あとはゴミ捨て場から「部品」を探して、この炉の改造を試みました。

 

鉄製のスノコまたは穴あき鉄板が欲しかったのですが、たまたまボール盤(電気ドリル)が廃棄になりそのテーブルをいただいてきました。

中央には大きな穴が開いており、そこから左右に円弧状に悪戯あるいは失敗(?)により余計な穴が開いていました。

今回はこれをはずし、四隅を弓鋸(手動)で切り落とし炉に入るようにして、更に空気が通るように6ミリの穴をいくつかあけました。
結構な作業量です。
午前9:00から作業を始め、終わったのが午後4:00でした。

 

中央の穴ばかりに空気が行かないように、耐火煉瓦の破片でふさぎます。(気休め?)
両側に出ているツノ状の隙間(多分棒状の材料を水平に置くための隙間)は厚さ24ミリの木の板を糸鋸で切って鋳造の砂を貼る耐熱ボンドで貼りました。

 


スノコの上に耐火煉瓦を並べます。空気が余計な所から逃げないように四角の大きさを調整しました。
「24ミリの板を四隅に入れた大きさ」が丁度いいことがわかり、それをガムテープで固定して更にビニール荷紐で支え、針金で固定しました。ビニール紐やガムテープは熱でダメになっても、針金や木材は2〜3時間はもってくれるだろう。と考えたのです。

点火!!
成功です。青銅の融解温度まで上げることができました。
しかし、木もあっと言う間に燃え、30分ほどで燃えてなくなってしまいました。
耐火煉瓦の自重で炉が崩れることはなかったのですが、多人数の生徒と長時間扱うには不安があります。コークスや坩堝を出し入れする間に崩れてしまうかもしれません。


2003年7月29日、30日

ゴミ捨て場より机をもらってきて、その脚を弓鋸(またも手動)で切り、16本用意しました。
それを4本ずつガムテープで束ね、前回の木の代わりに四隅に入れます。

 

2日間の鋳込み作業に耐えました。何とか使えそうです。

まとめ

「良かったこと」

「残念だったこと」

これから

その他


Aug.14,2003 新規作成

【鋳造体験記17】に続く。

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